医療機関のトップブランドとして、全国83施設が承認を受けています

大学病院が多い

レベルが高く、保険適用前の最先端医療を提供する施設、言い換えれば数ある病院の中のトップブランドとして、1992年の医療法改正によって新設されたのが「特定機能病院」という制度です。そのほとんどは大学病院となっています。

風邪や子供の発疹、腹痛程度でも気軽に大学病院で診てもらう、といった誤った風潮を改め、規模と機能に応じた医療機関の役割分担を進めることも制度の目的です。

特定機能病院としての承認されるためには、該当する医療機関が様々な条件を満たしていなければなりません。以下はその一部です。

@ベッドが400床以上、A主な診療科のうち10以上を開設、B医師・薬剤師の配置数が一般病院の最低基準の2倍以上、看護師は1.5倍以上、C市中治療室、無菌病室、医薬品情報管理質がある、D他の医療機関から紹介された患者が3割以上を占める、E専門研修を受ける医師が年間平均30人以上、F保険適用前の先進医療や難病の診療に取り組んでいるーなど細やかな条件が設定されており、これらを全てクリアしなければなりません。

厚生労働大臣から承認されているのは全国で83病院で、大学病院の本院が80施設のほか、国立がんセンター中央病院(東京)、国立循環器病研究センター(大阪)、大阪府立成人病センター(大阪)です。

承認されると、入院料などで診療報酬が上積みされます。診療報酬の算定ではDPC(診断群分類包括評価)という病名別の包括払いが適用されますが、それでも年間数千万円から1億円状の増収になるとされています。こうした優遇は、高度な医療の提供に対する報酬という位置付けなのです。

承認返上・取り消しが出るなど、その内実が問われています

安全管理ミスから医療訴訟も

このように、本来は質の高い医療を提供するはずの特定機能病院でしたが、心臓と肺の手術をする予定であった2人の患者を取り違えて手術した横浜市立大病院が承認を返上する事態になりました(2001年に再承認)。

さらに東京女子医大病院が心臓手術事故の隠蔽で、東京医大病院は、心臓手術事故の多発で患者からの医療訴訟が相次いだことを受け、承認を取り消されました(それぞれ2007年、2009年に再承認)。

このような事態を受け、安全管理の体制作りが強化されましたが、審議会では「どの大学病院も高度な医療を提供しているとは限らない」、「実力のある医師がいる病院に枠を拡大するべきだ」という声が相次ぎました。

また、特定機能病院の承認の条件には「高度な医療技術の開発と評価」という項目もあります。さまざまな研究を進めて、新薬や医療技術を試す主舞台でもあるわけです。しかし特定機能病院を対象に2007年、全国紙が実施した調査では、これらをチェックする倫理委員会の体制や審査の方法に、不備が多いことが判明しました。高度な施設の内実が問われることになった現在、厚生労働省は当面の間、新たな施設の追加はしない方針です。

なお、上記のように医療機関の役割分担の関係上、特定機能病院での受診は無条件に誰でも出来るわけではなく、一般病院もしくはかかりつけ医師を受診した上で、紹介状を書いてもらう必要があります。紹介状がなくても、受診は可能ですが、その場合は初診料とは別の費用(特定療養費:金額は病院ごとに異なる)を求められます。管理人が地元の病院に尿路結石で飛び込みで駆けつけたときは、3000円が必要でした。

困ったときには病院のソーシャルワーカーに相談しましょう

福祉相談員とも呼ばれます

近年は、患者さんが抱える身体・心理的・社会的・経済的な問題に援助を行うことを目的として、ほとんどの病院に医療ソーシャルワーカーが職員として勤務しています。

具体的には、病気になったときに生じてくる、医療費、退院後の職場復帰、医師や看護師との関係、生活etc…などさまざまな問題について、患者さんや家族と一緒に考えて、問題解決を図ることを仕事としています。

また、問題解決の方法として、医療費の負担軽減制度などの社会制度の情報提供、院内スタッフと患者さんとの連絡調整、他の関係機関との連絡調整などを行いながら、患者さんが安心して治療を受けられ、社会生活が送れるようにサポートを行っています。

ですから、病院に来て困ったことがあったら、遠慮なく医療ソーシャルワーカーに相談してください。なお、相談料金についてですが、現在のところほとんどの病院は無料で行っています。なお、病気になっても、経済的な問題から病院にかかれず、症状を大きく悪化させてから救急車で運ばれてくる患者さんもいます。お金がないために、病院にいかれず、治療を受けられないのは、切ないことです。

このような状況にある患者さんの相談も医療ソーシャルワーカーは受け付けています。社会制度が利用できるのであれば、どの制度を活用したらいいか、その手続き方法なども含めて、具体的に説明してくれます。また、お住まいの地域の社会福祉事業所に相談に行くという方法もあります。

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